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こんな悩みを解消します。
結論から言うと、BATICのsubject2は独学でOKです。
この記事では、BATICのSubject2に独学で受かるために、どのような方法・テキストがベストであるかをご紹介していきます。
- BATICのsubject2は独学でもOKな理由
- BATICのsubject2の過去問傾向と対策方法
- 独学で受かるための勉強法と必須テキスト
ちなみにsubject2で必要な得点は、アカウンティングマネジャー:5割以上、コントローラー:8割以上です!
Contents
資格予備校に通うといくらかかるのか
この記事では、あくまで独学でBATICのSubject2を攻略することを目的としていますが、仮に資格予備校に通った場合にどのくらいかかるのか見てみましょう。
BATICのスクール費用比較表
スクール名 | 金額 |
---|---|
T社 | 78,600円 |
O社 | 78,000円 |
※割引がある場合は、割引適用前の金額。T社は教材を含まない金額。Subject2のみの受講を想定
BATICは簿記などに比べてマイナーな資格なので、ざっと探してみて内容がちゃんとしてそうだったのは、業界大手のT社とO社しかありませんでした。
どちらも受講費は8万円弱となっており、大きな違いはありません。
金銭面以外においては資格予備校に通うことのデメリットは見つからないので、これだけの金額をパッと出せる方は資格予備校に通うのがいいでしょう。
しかし、この記事の主旨はあくまで独学の勉強法のご紹介です。
この記事を読んでみて「やっぱり難しそうだな」と思ってからでも資格予備校への入学の検討は遅くありません。
BATIC Subject2は独学で十分だと考える理由
具体的な勉強方法をご紹介する前に、BATIC Subject2は独学で十分だと考える理由をご紹介します。
ただし、これから紹介する理由は、受験者が日商簿記2級(または1級)の範囲を学習したことがあるという前提です。(簿記試験の合否は関係ありません。大事なのは学習したことがあるかどうかです)
理由1:資格予備校でも使うテキストは同じ
資格予備校に通うメリットは大きく下記の2つだと考えています。
- 優秀な講師陣の講義
- 過去問の分析により凝縮されたノウハウが詰まったオリジナルテキスト
実は、T社もO社も講義時に使用するのは市販の公式テキスト。簿記などの他の講座だったら考えられません。
ただ、大手資格予備校もテキストの作成をさぼっているわけではありません。(たしかに簿記のテキストを作成するより優先順位が低いのかもしれませんが)
その理由はO社の受講内容紹介からも読み取れます。
本試験は公式テキストの内容から出題されます。公式テキストの内容について、具体例や図表でわかりやすく説明し理解を深め、問題集で演習を行います。
まさにこの一文に尽きます。公式テキストを読んでからSubject2の過去問を解いてみればわかりますが、テキストから外れるような問題は1問もありません。
そして、公式テキストに載っているすべての論点が、万遍なく出題されます。
このことからも、本試験が公式テキストに準拠していることがよくわかります。
このように、使うテキストが同じならば、わざわざ資格予備校に通う大きなメリットが無くなります。
理由2:日商簿記と範囲が似ている
こちらの記事でも紹介しましたが、BATIC Subject2の試験範囲は、日商簿記と似ています。

よって、BATIC Subject2の場合は「難しくて理解が出来ない」というよりも、むしろ英語で解くことに苦戦を強いられます。
逆にいえば、英語に慣れてしまえば簿記の知識の応用でなんとかなります。
※日商簿記1級を学習したことがない方が、コントローラーレベルの問題を解く場合は別です。この部分は後述します。
つまり、日商簿記を既に勉強したことがある方にとっては、いかに早く英語の出題形式に慣れていくかが課題となります。
先ほどから英語を強調していますが、中学生レベルの基礎がしっかりしていれば、それほど心配はいりません。
詳細は後述しますが、Subject2の本試験の問題はパターン化しているため、過去問を最低2回は解いて出題形式に慣れる訓練さえすればOKです。
もちろん資格予備校に通ったほうが効率的に学習を進められると思いますが、以上のことから、8万円近くの大金は払えないと結論付けました。
BATIC Subject2の過去問分析
続いて、BATIC Subject2の過去問を分析してみます。先ほど公式テキストから万遍なく出題されるとご紹介しましたが、その部分をもう少し具体的に示します。
subject2は大きく選択肢問題と記述問題に分かれているので、それぞれ別にみていきましょう。
Subject2選択問題(7点×60問)
まずは前半の選択問題から。選択問題はどの回も傾向にそれほど変化がないので、第35回(2018年実施)を例にとって分析してみます。
問題数が多く、15問ずつに区切っているため少々見にくいかもしれませんが、ご了承ください。
下の表を隅から隅まで見る必要はありません。まずは、ぱっと見のイメージだけつかんでください。
複合論点の問題も多いですが、あくまでメイン論点のところに●印をつけています。例えば公正価値測定の論点でいえば、上記の表に印はついていませんが、金融資産や減損などのその他幅広い論点において必要な知識となっています。
きれいな階段状に並んでいますね。ぱっと見てもわかるくらい、すべての単元から出題されています。
ちなみに前半30問がアカウンティングマネジャーレベル、後半30問がコントローラーレベルという位置付け。
アカウンティングマネジャーを目指すならば、前半+αを得点しに行くつもりで大丈夫です。
メイン論点の頻出順に並べると、トップ3は以下のようになります。
- 企業結合:8問
- 収益認識:6問
- 金融資産:5問
上位から順にコメントしていきます。
トップの企業結合は今の簿記2級の試験を経験していれば、十分対応可能です。
問題の位置付け自体は後半のコントローラーレベルなのですが、アカウンティングマネジャー狙いの方も充分得点源にできます。
続いて2番目の収益認識。こちらは簿記1級・2級の試験範囲に含まれていません。今までの日本基準には存在しなかった考え方なので、新しく勉強する必要があります。
※日本でも2021年4月以降に始まる事業年度からほぼ同じ内容で適用される予定
今までになかった考え方を導入するので、少し難しい部分もあります。
とはいえ出題される問題はパターン化されているため、コントローラーを狙うのであれば過去問を解いて得点源にすべき単元。
続いて3番目の金融資産。こちらは包括利益やデリバティブ、ヘッジの考え方を理解する必要があるので、簿記2級の知識では少々難しいかもしれません。
ただ、割引発行の債券の償却のような単純な問題も出るので、アカウンティングマネジャー狙いでも取れる問題は確実に拾っておきたいところです。
選択肢問題では、アカウンティングマネジャーを目指すならば6割程度、コントローラーを目指すならば8割程度は稼いでおきたいです。
Subject2記述問題(45点×4)
選択問題はヤマの張りようがないのですが、記述問題は事情が異なります。
今回分析したのは、2016年-2018年に実施された5回分の過去問題。5年間のうち、2回以上出題されたものには色を付けてあります。
配点が大きいだけあって、どの大問も複合論点です。よって、メインとなる論点を記載してあります。
まず大きな特徴としては、財務諸表の問題が毎年一番最初に出てくる点。どの年も損益計算書を作る問題です。
一番最後にその他包括利益の問題が出るのですが、それ以外は基本的な論点なので、確実に得点源にしたいところ。
財務諸表以外に複数回出題されている単元は、どれも選択問題においても頻出の単元です。(たまたま棚卸資産は第34回で出題なしでしたが。。)
最低限上記色付きの単元をしっかり対策していれば、アカウンティングマネジャーレベルを十分目指すことができるでしょう。
コントローラーを目指すならば、全単元をしっかりカバーする必要があります。
上図で色がついていない単元についても、「難しい単元を捨てる」という考えは無しです。
BATIC Subject2の独学勉強方法!公式テキストを使おう!
独学で勉強する場合も、公式テキストを使って勉強するのが一番の早道です。
■公式テキスト
■公式問題集
■過去問題集
資格予備校ですら公式テキストを使用しているので、わざわざ別のテキストを使うメリットはありません。
T社のホームページによると、勉強時間の目安は以下の通りとされています。
- アカウンティングマネジャー:60-70時間
- コントローラー:70-100時間
どちらもSubject1を勉強したこと前提の時間です。この時間は資格予備校に通った場合なので、独学の場合は余裕をもって1.5割増くらいで見積もって計画を立てましょう。
上記のテキスト3点セット(公式テキスト・問題集・過去問題集)を使った学習方法は以下のイメージです。
- 公式テキストを1周読んで概観をつかむ:所要時間10時間
- 公式問題集を解く。間違ったらテキストに戻り都度復習:所要時間40時間
- 過去問題集を解く。5回分×2周:所要時間50時間
上記は簿記2級レベルの人がアカウンティングマネジャーを、簿記1級の人がコントローラーを目指す場合の目安です。
BATICのsubject2は独学&公式テキストがベストな勉強法!
BATIC Subject2の独学勉強法をまとめてきました。
ここまでお読みいただいた方はお判りかもしれませんが、BATICは本試験の問題がパターン化されているので、独学でも十分対策を立てられる試験です。
この記事ではsubject2全体の分析を行いましたが、独学でコントローラーを狙いたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

この記事が、みなさまがBATICを勉強し始めるきっかけになれば何よりです。
こちらの記事では、BATICの役立ち度について解説しています。合わせてご覧ください。

また、Subject1については以下の記事をご参照ください。

以上です!ここまで読んでいただきありがとうございました!
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