こんな疑問を解消します。
私は転職した後にスキルアップのためBATICのコントローラーを取得したのですが、今後もし転職するときのために、BATICという資格の転職市場価値を詳しく調べてみました。
- BATICは経理職の転職市場で+αの加点的に評価されうる
- BATIC単体で活かせるような求人は少ないので、簿記のステップアップ資格として受験を検討すべき
それでは、上記の結論に至った詳細について、記事の中でみていきます。
「BATICは転職に有利なのか」という疑問を掘り下げるにあたって、一番気になるのがBATICの求人数。
この記事では経理の転職を専門としているジャスネットキャリアの求人をみていきます。

ジャスネットキャリアに掲載されている経理の求人は2,538件(本記事執筆時点)。
そのうちBATICを「活かせる資格」として挙げているのは14件です。割合にして0.5%。
しかし、「活かせる資格」の欄にBATICが挙げられている求人件数が少ないからといって、BATICは転職で有利にならないと決めるのは早計です。
もう少し掘り下げて分析してみましょう。
転職の時にBATICで求められるレベルはどこからか
BATICは簿記試験のように合否があるものではなく、獲得したスコアに応じて4つの称号が与えられる仕組みです。
BATICの試験はsubject1とsubject2にそれぞれ分かれており、subject1はAccountantレベルまで、subject2はAccounting Maneger以上を目指す人が受けるセクションです。
BATICの仕組みについてはこちらの記事で詳細に解説しています。
国際会計検定BATICとは?経理マンが実務・転職への役立ち度や難易度を解説!
それでは上記の求人のうち、BATICで求められるレベルはどの程度なのでしょうか。レベル順にその結果をまとめたのが以下の表です。
- Bookkeeper Level:5件
- Accountant Level:6件
- Accounting Manager Level:14件
- Controller Level:14件
各レベルにおいて、求人は重複してカウントしています。例えば活かせる資格欄にBookkeeper〜Controller全ての記載があれば、それぞれのレベルで1件としてカウントしています。
このように集計してみると、2つのことが見えてきます。
まず1つ目は、一番低いBookkeeperレベルであっても意外と評価される求人が多い点。
Bookkeeperレベルは簿記3級を持っていれば割と簡単に取れる称号なので、お得感があります。各称号のレベル感がピンとこない人は、こちらの記事をご覧ください。

そして2つ目がAccounting ManagerとControllerで求人数に差がない点。取得の難易度は大きな差がありますが、求人数的にはこの2つは同じ結果になりました。
詳細は下の記事に預けますが、簿記2級を持っている人であれば、こちらも比較的簡単にAccounting Managerを取得することは可能です。

では、肝心な求人の中身はどのようなものがあるのでしょうか。仕事内容を抜粋してみてみましょう。
- グループ全体を支える経理スペシャリスト
- 外資系メーカーのシニアスタッフ
- グローバルメーカーの連結決算
上記は一部抜粋にすぎませんが、どの求人にも該当するのが「グローバル」という点。例えばクライアントに外資系企業が多い会計事務所であったり、グローバルに展開する企業の連結決算だったりです。
これらの求人からわかるとおり、BATICの有資格者に求められているスキルは会計×英語のスキルです。
簿記やTOEICのように、会計・英語それぞれのスキルを持っていることを示せる資格はいくつか存在します。しかしBATICのように会計と英語2つのスキルを同時に示すことができ、かつ手軽に挑戦できる資格は、私の知っている限りでは他に存在しません。
少しでも英文簿記を勉強したことがある方は共感していただけると思いますが、英文簿記では、受験で勉強したような英単語はほとんど出てきません。
結構な量の勘定科目を新しく英語で覚え直す必要があります。よって簿記を持っていてTOEICもいいスコアを持っているからといって、英文簿記もできるとは限らないんですね。
そういった部分にBATICの存在価値があるといえるでしょう。
まとめ:BATICは経理の転職に必須か
今までみてきた通り、BATICの求人数はまだまだ少なく、経理の転職に必須とまでは言えない状況です。簿記3級しか持っていないのであれば、簿記2級の取得を優先した方が懸命といえるでしょう。
ただ、転職先でグローバルに活躍したい人、海外子会社を含めた連結決算を担当したい人であれば、BATICは会計・英語の2つのスキルを証明できるいいツールになることは間違いありません。
自分の置かれた状況や転職先でやりたいことを踏まえた上で、BATIC受験を検討してみてください!
以上です!ここまで読んでいただきありがとうございました。
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