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簿記試験を受ける前に覚えておきたい電卓の便利な使い方

電卓は、誰でも直感的に使えるくらい操作が簡単で便利です。それゆえに電卓の説明書を読んだことがある方は少ないのではないでしょうか。

 

じつは、簿記試験に臨むにあたって、電卓には知っておくと計算の手間がグンと省ける機能がいくつもあります。

 

たかが電卓。されど電卓。この記事では、簿記試験で確実に役に立つ電卓の使い方を、簿記試験問題の実例を交えながらご紹介します!

簿記試験における電卓機能の重要性

簿記試験が終わった後に一番悔しいと感じるのは、解法はわかっていたのに計算ミスにより失点してしまうパターン。

 

その原因は様々ですが、ほとんどの場合は単純な計算ミスによるものです

計算ミスの原因は大きく以下の2つがあります。

  1. 電卓に入力する数字を間違える(打ち間違い)
  2. メモ書きからの転記ミス

一つ目の数字の打ち間違いについては、できるだけ電卓に入力する回数を減らすことでリスクを抑えることができます。

極端な話ですが、数字を100回入力するのと1回入力するのでは、ミスの回数が明らかに違うことはすぐにわかるでしょう。

 

そして、2つ目の転記ミスを防ぐには、メモを取ることなく、できるだけ電卓のみで計算を完結させることが大事です。

電卓⇒メモ⇒電卓⇒回答記入というプロセスを、電卓⇒回答記入という形にさせることです。

 

この記事では、これらのような単純なミスを防ぐ手段として、主に①電卓への入力回数を減らすメモを取らずに電卓だけで計算するという目的に沿った電卓の便利な使い方をご紹介していきます。

 

数字の±を入れ替える使い方

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手始めに簡単な機能からご紹介してきます。上記の図で赤く囲んである、±キーです。

キーの見た目から想像がつくかもしれませんが、このキーを押すと液晶に表示されている数字の符号が逆転します

例えば「100」と入力しているときに、この±キーを使うと「-100」になるといった具合です。

 

実際の簿記試験においてどのように使用するのか見てみましょう。ぜひ手元に電卓を用意して、読みながら電卓をたたいてみてください。

A社は、当年度の期首に300百万円の機械Xを購入した。A社ではこの機械を、残存価額10%、耐用年数3年の定額法で減価償却している。

当期末における機械Xの帳簿価額はいくらか。

暗算で解けるかもしれませんが、あえて電卓で解いてみましょう。

まずは残存価額を求めるために

  • 取得価額(3,000,000)×残存価額(0.1)=300,000

こんな計算をしますね。この時点で液晶に表示されているのは、「300,000」という数字です。ここで±キーを押します。

すると、液晶の数字が「300,000」⇒「300,000」に変化します。この数字に帳簿価額の「3,000,000」を足して耐用年数の「3」で割ると

  • ‐300,000+取得価額(3,000,000)=減価償却の元となる数値(2,700,000)
  • 2,700,000÷耐用年数(3年)=1年あたりの減価償却額(900,000)

ここで1年あたりの減価償却金額が算出されました。

いま液晶には「900,000」という数字が表示されています。ここでもう一度±キーを入力して、取得価額の3,000,000を足してあげれば

  • 1年あたりの減価償却額(‐900,000)+取得価額(3,000,000)=残存価額(2,100,000)

こうして期末時点の残存価額が算出されました。これは非常に簡単な例ですが、ポイントとなるのは、答えを導くまでの間に一度もメモを取る必要がないという点です

メモを書いてるとそれだけで時間をロスしますし、急いで数字を書くことによる転記ミスなども起こり得ます。

計算結果が複雑になればなるほどその効果が出てくるので、積極的に使っていきましょう。(特に定率法のときに重宝します)

 

同じ数を何度も計算するときの使い方

計算ミスを減らすためには、電卓の入力数を減らすことも大事です。次は同じ数字を何度も入力せずに済む「定数計算機能」というものを紹介します。

こちらの機能はいつも使うキーだけで使用できるので、さっそく実例を見てみましょう。

A社は、X1年度期首に161百万円の機械Xを購入した。A社ではこの機械を、残存価額0、耐用年数7年の定額法で減価償却している。

X4年度期末における機械Xの帳簿価額はいくらか

 まずは、1年あたりの減価償却額を下記の式で求めます。

  • 取得価額(1,610,000)÷耐用年数(7)=1年あたりの減価償却額(230,000)

この数字をもとに、X4年度期末における減価償却累計額を求めます。1年あたりの減価償却額×4年としてもいいのですが、ここではあえて、定数計算機能を使用してみます。

  • 1年あたりの減価償却額(230,000)+ = = = = X4年期末の減価償却累計額(920,000)

上記のように、=キーを足したい回数分押すことで、その数の分だけ同じ数を足すことが出来ます。後は±キーで符号を変えて取得価額を足してあげればX4年度末における機械Xの残存価額が求まります。

 

 使い方がわかりやすいように簡単な例でご紹介していますが、こちらも複雑になればなるほど重宝する機能です。

 

この機能は、足し算だけでなく引き算、割り算、掛け算にも使うことが出来ます。簿記1級の範囲ですが、リース料の現在価値計算ではこの機能は必須です。

例えば、割引率3%・5年後の支払いリース料1,000円の現在価値を計算する際に、1,000÷1.03= = = = =と入力すれば、1,000÷1.03÷1.03÷1.03÷1.03÷1.03と入力したのと同様の答えを得ることができます。

 

複数の計算結果を総合計する使い方

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続いて紹介するのが、上の図で赤く囲んである「GT」というキー。

GTとは「Grand Total」の略で、日本語に訳すと「総計」という意味です。電卓でいくつかの計算をした後にこのキーを押すと、それまで計算した結果の総計を求めることができます

 

こちらも具体例で見てみましょう。

A社は商品Xを仕入れて販売している。当期におけるXの仕入状況は以下の通り。

  • 4月1日:15個@500円(仕入)
  • 8月2日:25個@550円(仕入)
  • 3月3日:11個@450円(仕入)

当期における商品Xの売上原価を求めなさい。ただし、期首・期末ともに商品在庫は0とする。

当期の売上原価は、当期に仕入れた商品Xの金額の総合計です。GTキーを使わない場合

  • 15×500=7,500
  • 25×550=13,750
  • 11×450=4,950

それぞれの計算をするたびに計算結果をメモして、3つの計算を終えた後に、その合計を足し算する必要があります。

 

しかし、GTキーを使えば以下の通り1発で計算できます。

  • 15×500= 25×550= 11×450= GT

上記のように入力するだけで、総合計となる26,200という数字を求めることができます。

ポイントは、上記の通りそのまま入力することです。通常であれば、一つの計算が終わった時点でクリアキー(C)を押しますが、GTを使って総合計を求めたい場合は、上書きするようにそのまま入力を続けていきます。

※画面は勝手に新しい結果に切り替わります。

 

前の式の計算結果を記憶させる使い方

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続いて紹介するのが、メモリ機能です。上記の赤枠のようにMから始まるキーがいくつかあると思います。

メモリ機能のキーは電卓の機種によってばらばらなので、ぜひご自身の電卓を確認してみてください。

 

Mからはじまる名前のキーがいくつかありますが、このMが意味するのは「Memory」という意味です。それぞれのキーの意味は以下の通りです。

  • MC:Memory Clear(メモリを消去)
  • MR:Memory Recall(メモリの呼び出し)
  • MS:Memory Store(メモリに記憶)
  • M+:メモリされている数字に足す
  • M-:メモリされている数字から引く

先ほどのGTキーは足し算の総合計のみしか計算できませんでしたが、上記のメモリキーを使えば、複数の計算結果を四則演算で思いのままに計算することができます

こちらも具体例でみていきます。

A社は商品Xを仕入れて販売している。当期におけるXの仕入状況は以下の通り。

  • 4月1日:15個@500円(仕入)
  • 8月2日:25個@550円(仕入)
  • 1月4日:12個@495円(返品)
  • 3月3日:11個@450円(仕入)

当期における商品Xの売上原価を求めなさい。ただし、期首・期末ともに商品在庫は0とする。

先ほどの例はすべて仕入だったので、総合計でGTで対応できたのですが、今度の例は返品があるので、引き算も入ってきます。

しかし、メモリキーを使えばこちらも1発で計算することができます。

  • 15×500= M+ 25×550= M+ 12×495= M- 11×450= M+ RM

上記のように入力すれば、売上原価の20,260という数字が表示されます。

 

こちらの機能も、リース料の現在価値計算に必須の機能です。割引率3%・リース料1,000円・5年分の支払いの現在価値を求めるのであれば、定数計算機能と一緒に使って

  • 1,000÷1.03= M+ = M+ = M+ = M+ = M+ RM

上記のように入力すれば

  • 1,000÷1.03
  • 1,000÷1.03÷1.03
  • 1,000÷1.03÷1.03÷1.03
  • 1,000÷1.03÷1.03÷1.03÷1.03
  • 1,000÷1.03÷1.03÷1.03÷1.03÷1.03
  • 上記の計算結果をそれぞれメモして足し算

電卓の便利な機能を何も使わなかった場合、これだけの入力をする必要がある計算を、かなり省略して実行することができます。

簿記試験本番時:ラウンドセレクタの設定に注意

簿記試験で使える電卓の便利機能は以上です。ここでは番外編として、ラウンドセレクタの設定をご紹介します。

 

ラウンドセレクタとは、

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上記の赤丸部分です。このスイッチを切り替えることで、計算結果の小数点以下の扱いを設定することができます。

 

こちらも電卓の機種によって切り替え方法が様々ですが、簿記試験では「F」の位置に合わせておけば問題ありません。

 

「F」はおそらくFreeのFだと思われますが、小数点以下をそのまま計算させるという扱いになります。

 

Fの他にも「CUT」や「5/4」などがありますが、それぞれ「切り捨て」「四捨五入」を意味します。

簿記試験では会場まで電卓を持参する必要がありますが、その際に何かの拍子でこのラウンドセレクタが切り替わって、あるべき計算結果にならないときがあります。(実際に私が経験しました。。)

当日焦ることがないように、ぜひこの点は確認しておきましょう

おわりに

この記事で紹介したような方法は、慣れるまではむしろ通常より時間がかかってしまいます。しかし、慣れてしまえば電卓を使った計算が格段に早くなることは保証します。

 

ここで紹介したテクニック以外にも、「使う電卓を常に固定する」ことも意外と大事です。

私の場合、職場用と自宅用で2台の同じ電卓を持っており、この電卓で3級~1級まで乗り切りました。キーの打感や大きさ、安定感からしてなかなかのコスパです。

以上です!ここまで読んでいただきありがとうございました!