FASS検定は経理・財務業務の実務を学ぶことができる資格です。
しかしその知名度の低さから、FASS検定を自分から積極的に受ける人はそう多くないでしょう。
FASS受験者でもっとも多いケースは「会社に奨励されたから」だと考えています。
実際に、筆者の前職ではFASS検定の取得ランクに応じて奨励金がもらえましたし、現職では経営管理系の職種に付いている人間が、揃って受験しています。
この記事では、理由は何にせよFASSを受ける人のために、独学でFASS検定のAランクを取得するための方法を、実体験に基づいて紹介します。
FASS試験概要の確認
FASSの公式パンフレットから、試験概要の部分を抜粋します。
受験機会は年に2回。会計・税務・資金・内部統制など、幅広い分野から100問出題されます。
問題数の多さに圧倒されますが、全て選択式なのでそれほど心配はいりません。
とは言え、試験時間90分の中で100問解くには1問1分もかけられません。ある程度のスピード感をもって問題を解く必要があります。
目標とするAランクを取得するには約87%以上の正答が必要。ちなみに平均点は573点のCランクとなっています。
ランク別の得点とレベル感については下記をご覧ください。
受験方法はCBT方式。指定された会場(パソコン教室や専門の試験センター)でPCを使って受験します。
全て選択式の問題なので、受験結果は試験が終わり次第、即確認することができます。(会場で試験結果を手渡しされる)
この記事はFASSの勉強法に特化していますが、FASS検定についての詳細はこちらに詳しくまとめています。
身に付くスキルなどについてもこちらの記事で詳しく確認できます。
独学でFASS検定Aランクを取得する方法
FASS検定を受ける人は下の2タイプに分類できると思っています。
- 会社からの指示や奨励金目当なので労力を最小限にしたい人
- せっかくの機会なので実務スキルを幅広く身につけたい人
このタイプによって使用すべきテキストや勉強方法が異なってくるので、それぞれのタイプ別に勉強方法を紹介していきます。
ちなみに、FASSを受験するにあたっての基礎知識は簿記3級を勉強したことがあるくらいのレベルで十分です。
最小限の労力でAランクを取得したい
ここで想定するのは、最小限の労力でFASS検定のAランクを取得したい人です。
言葉を選ばずに言えば「Aランクの取得が目的の人」になってしまいますが、会社にAランクの取得を義務化されたりした際などにはこういったケースもありえると考えています。
そういった方におすすめなのがこのテキスト。
※残念なことに楽天・amazonでは最新版を新品で入手できません。
最新版を入手するには公式HPから申し込みが必要です。下記は公式HPの情報ですが、受験とテキストを同時申込すると1,500円くらい割り引かれます。
こちらのテキストの企画は、FASS検定の主催団体である日本CFO協会。
検定主催団体の作成したテキストなので、確実に出題傾向をつかめます。むしろこのテキストとほとんど同じ問題が結構な割合で出題されている印象。
単元ごとに問題が並んでいるので、自分の知識が薄い分野だけ集中的に学習することもできます。
「最小の労力」という意味では、このテキストの内容だけしっかり固めておけばいいと言えます。
1周解いて、2周目は間違えたところだけ解くようにすれば10時間もかからないでしょう。
ここではあくまで最小の労力というテーマですが、よりAランク取得を確実にしたいのであれば、次のセクションも参考にしてみてください。
せっかくの機会なのでしっかり知識を習得つつAランクを取得したい
上段ではあくまで「試験対策」的な意味でFASS検定の攻略法をお伝えしましたが、ここではFASS検定で求められるスキル・知識を確実に定着させる方法を紹介します。
まず必要なのが教科書的なテキスト。
FASS検定の教科書的なテキストは、上記のように通常編とステップアップ編の2種類が存在します。
通常編とステップアップ編の違いとしては、記載内容の細かさ・難易度に加えて、ステップアップ編のみでしか解説されていない項目もあったりします。
FASS検定でAランクを取得するには通常編だけでも十分ですが、学習意欲のある方は両方購入するのもいいかもしれません。
参考までに各テキストの解説範囲を表にしておきます。
解説単元比較表
単元 | 通常編 | ステップアップ編 |
---|---|---|
売掛債権管理 | ● | ● |
買掛債務管理 | ● | ● |
在庫管理 | ● | ● |
固定資産管理 | ● | ● |
ソフトウェア管理 | ● | ● |
原価管理 | ー | ● |
経費管理 | ー | ● |
月次業績管理 | ● | ● |
単体決算業務 | ● | ● |
連結決算業務 | ● | ● |
外部開示業務 | ● | ● |
中長期計画管理 | ー | ● |
年度予算管理 | ー | ● |
税効果計算業務 | ● | ● |
消費税申告業務 | ● | ● |
法人税申告業務 | ● | ● |
連結納税申告業務 | ● | ● |
税務調査対応 | ● | ● |
現金出納管理 | ● | ● |
手形管理 | ● | ● |
有価証券管理 | ● | ● |
債務保証管理 | ● | ● |
貸付金管理 | ● | ● |
借入金管理 | ● | ● |
社債管理 | ● | ● |
デリバティブ取引管理 | ● | ● |
外貨建取引管理 | ● | ● |
資金管理 | ● | ● |
資産流動化業務 | ー | ● |
企業買収 | ー | ● |
会社分割 | ー | ● |
解散・清算 | ー | ● |
株式公開 | ー | ● |
株式発行増資 | ー | ● |
資本政策 | ー | ● |
ストックオプション | ー | ● |
私は四訂版のステップアップ編まで買いましたが、FASS検定でAランクを目指すのであれば正直通常編だけでよかったと後悔しました。(ほとんど開いていない。。)
上記のテキストを教科書として、問題を解いていきます。問題集については、最低限先ほど紹介したCFO協会の公式テキストがあればOK。
しかし、Aランク取得を確実なものにしたいのであれば、より多くの問題に触れておいた方がいいでしょう。
私は確実にAランクを取りたかったのでこの問題集も購入しました。試験本番でも類題が多くでたのでやっておいて損はありません。
演習を積むためにオススメの問題集がこちら。TACから出ているFASS検定の問題集です。
公式の問題集に加えてこの問題集を完璧にすれば、Aランク取得は固いと言えます。
以上です!ここまで読んでいただきありがとうございました!
FASS検定は実務寄りの試験。転職でもアピールしやすい経理資格について興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。

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