最近では一般的になってきた転職。しかし、いざ自分が転職することを考えてみると、周りから「逃げ」と思われないか不安になる方も多いのではないでしょうか。
僕も今の会社に転職して半年経ちましたが、今から1年前は、まさに転職するかどうか迷っている時期でした。
「そう簡単に次の会社が決まるかわからない」という不安もありましたが、転職することで「逃げ」と周りから思われるのが何より嫌だったからです。
しかし転職して半年たった今、過去の自分にアドバイスできるとしたら「さっさと転職活動をすべき」と伝えたいです。
タイトルの問に対する答えを先に言ってしまうと、転職は逃げではありません。自分自身を肯定したい意味もありますが、実際に転職してみた立場から、これは断言できます。
この記事では、実際に転職して半年が経過した立場から「転職は逃げなのか」という問いについて考えてみたいと思います。
Contents
退職交渉で「逃げ癖がつく」と言われた経験
僕の前職の会社は、年功序列で中途採用がほとんどいないような古い体質でした。
そこで出世するには2-3年スパンで部署異動と引っ越しを繰り返し、上の人間から見染められ、引っ張り上げてもらう必要があります。
ぼくが前職の退職交渉を進める際に、何人もの上司と面談しました。その時に彼らが口をそろえて言った言葉が「一度転職すると逃げ癖がつく」という言葉です。
どんなつらい状況でも耐え忍び、ある程度の地位を得た彼らから見たら、たったの5年やそこらでやめる僕の姿は「逃げ」として映っていたのかもしれません。
転職のきっかけについてはこの記事に詳しくまとめています。
20代後半経理職の僕が安定を捨てて転職したきっかけ【経理・転職】
「逃げ」とは何か
彼らの言う「逃げ」とは何でしょうか。確かに僕は前の会社から逃げたくなるような多くの不満がありました。
- 担当者としての個人の裁量が小さい
- 異動が多すぎて自分の強みを磨くことが出来ない
- 転勤が多すぎて将来設計が出来ない
上に挙げたのは転職によって解消したいと思っていた不満です。このことは退職交渉の面談時にも上司たちに伝えました。
これを伝えられた上司たちは、もちろん自身が若いときに同じような経験をしてきたので「それくらいは我慢して当たり前」というスタンス。
そんな彼らから見たら、ぼくはこの程度の不満から逃げていったと感じられたのでしょう。
状況は変わって、転職活動の時の話。もともと面接は得意ではなかったのですが、運よくすんなりと行きたい会社から内定をいただくことができました。
その時の面接の志望動機で伝えたことは、先ほど挙げた不満の裏返しです。つまり、
- 若いうちからもっと裁量の大きい仕事をしたい
- 特定の分野で専門性を磨いていきたい
- 生活基盤を安定させて、仕事に集中出来る環境を作りたい
3つめは少々毛色が違うかもしれませんが、どれも退職交渉で話していた不満の言い方を少し変えただけです。
何が言いたいかというと、受け手がどの立場にいるかによって、転職の理由は「逃げ」にも「志望動機」にも受けとられられるということ。
仮に退職交渉の時に「もっと裁量の大きい仕事をしたいから転職する」と話したとしても「若いうちに基礎を積み上げることから逃げた」と、とらえられてしまうでしょう。
明確にやりたいことがあれば、転職は「逃げ」でも何でもない
個人的な話になりますが、ぼくがいま働いている会社では、人がやめまくっています。正社員が7人いる部署にいるのですが、半年で2人もやめていきました。
少しの間でも一緒に仕事をした仲間が去ってしまうのはさみしいですが、やめていった2人はともにやりたいことに向かって真っすぐ進んでいたので、心から応援したい気持ちで送り出しました。
実はこの2人、もともと転職して中途入社した人間です。ぼくの前の会社の上司からみたら、まさにこういう人たちが「逃げ癖」がついた人間なのでしょう。
実際に何度も転職する人を目の当たりにして、昔の上司が言っていた「逃げ癖」の意味に気づきました。
こちらも受け手の見方次第ということです。「逃げ癖」がついたととらえる人も確かにいるかもしれません。
しかし、一度転職を経験したぼくからしてみれば、「さらに良いところを見つけられてうらやましい」とすら思います。そこには「逃げ」という思いはちっともありません。
客観的に考えてみればあたり前のことかもしれません。しかし、自分が当事者になると正常な判断がむずかしかったりします。
とにかく転職を全肯定するというわけではありませんが、現職の不満を解消できるという明確な目的さえあれば、転職すること自体が立派な決断です。
無為に転職をすすめるわけではない。ただ、現職に固執する意味はない
終身雇用制度が崩壊しかけているのに、一つの会社にしがみつくことに一体どれだけの意味があるでしょうか。
かく言うぼく自身も、新卒時代の就活は「定年まで働ける安定した会社」という軸をもって会社選びをしていました。
確かに前職は安定していましたが、その社員であるぼく自身の生活は、転勤に次ぐ転勤で不安定でした。。
就職・転職する前に知りたい転勤のメリット&デメリットを元転勤族が解説します!
また、定年まで勤めあげると決めていたので、誰にも嫌われないようにしなければいけないという変な精神的なプレッシャーもありました。
しかし、転職した今となっては状況は全く違います。前職でいつも顔色をうかがっていた部長は、ただの顔見知りのおっさんです。
もちろん今の職場の上司にも気をつかいますが、前の職場ほどではありません。それは、いちど転職を経験して「逃げ癖」を付けることができたからです。
※もちろんいい意味で
このように、転職が「逃げ」になるかどうかは、受け手の立場次第です。「逃げ」と思われるのが嫌だとかそういう次元の話ではなくて、自分自身に明確な意思があるかどうかが大事であることを伝えることができていたらうれしいです。
おわりに
前職では、日曜日の夕方になると翌日の仕事が憂鬱になり、平日が始まったらひたすら休日が来るのを待ちわびていました。
そもそも転職をするという選択肢すらなかった過去のぼくは、思考を停止させてひたすら定年まで我慢するしかないと考えていたのです。
今では思い切って転職をしてみて本当に良かったと思っています。過去のぼくと同じように、周りから「逃げ」と思われるのが嫌で転職に踏み切れない方も多いかとかと思い、この記事を書きました。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました!
コメントを残す